トップ・スプリンター

ツール・ド・スイス第四ステージ、また同じ選手が勝った。二日連続。通算180勝を超えているそうだ。1勝分けてほしい。
世界のトップカテゴリーで勝ち続けるというのは本当にすごい。ずっと前から彼はすごいけれどそれでも最近はそのスタイルが変わってきた。今まではゴール前の無法者的な、他チームのアシストにただ乗りして強い選手の後ろに入り、ゴールスプリントするという感じだった。それが今はしっかり自分のチームのメンバーにアシストしてもらって、それに答えるために懸命にスプリントしている。この真摯な姿勢がまた心を打つ。エースのために滅私奉公のようにアシストするのも、それに答えるためにそれこそ必死に勝つのもそれはそれは大変重い仕事だ。そこのところが自転車競技特有の泣けるほどに感動する部分で、他のスポーツやアマチュア自転車競技ではあまり見られない点である。
2年前の世界選手権、サンチェスがエースであるバルベルデと、あとザベルとベッティーニを引き連れてゴールに帰ってきて、結果ベッティーニが優勝したが、ゴール500mほど手前でなぜかベッティーニから後ろの集団が切れてしまった。これは何かあったに違いないが、ここで集団が切れていなかったら、彼は世界チャンピオンになれた気がする。実は結構好きな選手なのだ。