マウンテンバイクを取り囲む微妙な環境

マウンテンバイクで山を走ることについて、全くダメとか、生理的に嫌!とか、危ないとか、山を傷つけるとか、ハイカーとトラブルになるとか、いろいろな人のいろいろな意見がある。好意的なのは少ないかな。でも自分は10年ほどいろいろな山の中で自転車に乗ってきて、いろいろな人とすれ違ってきたが奇跡的にトラブル無く、特に叱られることなく、すごせてきた。非常にラッキーだった。
マウンテンバイクの乗り方はいろいろある。峠から峠をつなぐ未舗装だけど林道部分だけ自転車に乗り、山中のシングルトラックはほとんど押し担ぎで自転車に乗らない人。登りはほとんど押し担ぎで、下りだけ乗る人。登りも下りもほとんど乗っていく人。ま、よく知らない人がみたら区別はつかない。
自転車を使わず山に入る人もいろいろいる。林業や猟師など仕事に従事している人、山が好きでただ歩くだけの人。スポーツとして走る人。健康のため仲間と一緒に楽しい時間を過ごすのが好きな人。
山に入る人の中でマウンテンバイカーはまだまだ数が少ない。ハイカーと比べると何十分の一かそれ以下ではないだろうか。山で起こる自転車の死亡事故は毎年ハイカーが死んでいる数に比べるとまだまだ少なく、これは今後追いつくことは無いだろう。野山の山菜を摘んだり、非常に貴重な自然が残る部分に自転車を持って立ち入って環境を破壊しているというのも、自転車に乗らずに山に入っている人より少ないと思う。
何が言いたいかというと、私は自転車で山に入るということは自転車無しで山に入る人に比べてそれほど特別なことだと考えていないということ。その行為が禁止されるとか、許可が必要とか、それほどのことをやっているようには思えない。山にタイヤの跡がつく場合もあるが、故意でなければ部分的な擦過傷のようなもので、普通の里山なら自然に治癒する程度だと思っているし、修復もする。それこそ普通の靴で歩いてつく足跡と大差は無い。熟練された人なら自転車で山に入っていてもその痕跡が残らないくらいだ。もちろんそれすら自然破壊というなら人は山に入れない。
今後、各地でハイカーは可、自転車は立ち入り禁止、というような看板が出るようなことになると、山での少数派を追い出す弱いものいじめのようで非常に気持ち悪い。