コース料理と完成車

寝つけないので枕元にあった料理について書かれた本を読んだ。
料理に関する本なのに読みながら自転車のことを考えてた。自転車脳。
フランス料理のコースは自転車の完成車と似ている。完成車で販売されるものには10万円以下の物もあるし100万円以上の物もあるけれど予算に合わせてパーツが選ばれていて、個々のパーツを購入して自転車を組み立てるよりたいてい割安になる。パーツ同士のバランス、相性もよく、失敗が少ない。コース料理もそう。コースはたいていその店のおすすめ品で予算に合わせて考えて料理が組み立ててある。それをアラカルトで選択すると周囲から失笑を買うような変った食べ合わせになったり、割高になったりする。そういうことが不安なので私はフランス料理レストランに行くなら(まず行かないが)コースを選ぶと思う。でも自転車違う。今所有しているほとんどの自転車はフレームを買って自分で個々にパーツを組み合わせた。完成車だと割安だけどフレームが気に入ってもアッセンブルされたサドルが気に入らなかったり、シートポストが気に入らなかったり、タイヤが気に入らなかったりする。フィジークのサドルが付いていてもクリキンのヘッドが付いていることはまずない。結局ほとんどのパーツを後から取り替えて、かえって高くことがある。料理の方も食べたいものがイメージできればアラカルトで頼むほうが満足は高いだろうけど、自分はフランス料理に関してはそこまで情熱が無いな。。
その本であと興味を引いたのはフランス料理は元々パーティのように色々な料理がテーブルに出ていたのだけれど、ロシア人が一皿一皿サーブする方法をパリに持ち込んだという話。ロシアは寒いので料理を一度に出してしまうとすぐに冷めるかららしいが、ロシアの流儀がフランスに取り入れられ、定着していることに驚いた。
あとおもしろかったのがフランス人は食べることに関していい意味でケチで、おいしくないものに高い金を払いたくないということ。支払う価格に見合った品質を求め、安くてもまずくてはダメ。あたりまえに感じることだけど、日本では冷凍をチンしただけの料理を出すチェーンのファミレスや居酒屋が幅を利かせているので、フランスとはかなり感覚が違う。考えると、ミシュランガイドもおいしいものを食べに行くと言う発想以上に、知らない土地で、食べることでは絶対失敗したくないというフランス人気質が発行の原動力になっている気がする。ミシュランガイドはなんやかんや言われることも多いけど掲載店とタイアップしているようなガイド本とはやっぱり違う。日本では料理店の紹介本だけではなく自転車雑誌も自転車メーカーからの広告が多いので信用できないといえばできないけど。