カミングアウト

白地に青と赤の二重丸のバッジ。よく来られるお客さま、ごく普通のおとなしそうな青年がリュックにひとつつけていた。うわっ、モッズか?自分もそんなバッジ、高校の時つけてた。モッズ・パーカー着てない時も、ピーコートの左胸とかにさりげなくというよりは、これみよがしにつけていた。なんかそれが自分はモッズ教の信者ということをカミングアウトしているかのようだった。この青年もモッズか?話かけてみようかと思ったが、今では私の中のモッズ濃度がかなり薄まっているので、やめた。
私はどっちかというと、カミングアウトしーである。(しー=しやすい人)自転車に乗ってない時にサイクルキャップをかぶっていたり、リブストロングのゴムの腕輪をしてたりする。(もちろんしてなかったりもする。)ま、どっちにせよミーハーというか、いちびりというか、うれしがりなのだ。以前、ダンサー・イン・ザ・ダークの何年か前、それほどメジャーじゃなかった頃にビョークのTシャツをたまたま着てたら、不思議系な女の子に声かけられたことがある。たまたまビョークのTシャツは着てたけど自分もそんな不思議系なオーラ、出してたのかな? 長らく外国にいてひさしぶりに日本語をしゃべる人を見つけたかのようにその子は話かけてきたけれど、自分はそれほど熱くビョークについて語れないので、その温度差に困ったことがある。なのであまり軽々しくカミングアウトするのも考えものである。