世界選手権

すんでしまったことを、うだうだと。
世界選をまだ観てなくて、これから観るつもりの人は見ないように。
すんでしまったが、輝きを失わない戦いの中から、変わらないものを峻別することは必要だ。
チームCSCがツールで優勝できたのはチームの編成、訓練、規律、団結、士気という選手の質に寄るところも大きいが、指揮官の力量、戦略の差を強く感じた。CSCは08リエージュ〜の最終局面で4人中シュレック兄、弟の2人を残しながら優勝を逃したが、その時はなんと芸の無い戦いかたをするのかと、がっかりした。ただ、このとき、シュレック兄エースというイメージを他チームに植えつけた。これが08ツールの最も大事なステージで、シュレック兄を他チームエースたちに必要以上警戒させ、サストレを大差で逃がすことに成功した。このステージではサストレの強さ以上にCSCの戦闘ドクトリンの素晴らしさを感じた。
今回の世界選手権、もちろんレース会場に入るまで各国に数多くの戦略はあっただろうが、めまぐるしく変わりゆく戦況に、その都度現場で、選手個々が戦術を組み立てて走っているという点でイタリアは群を抜いていたように思う。
フランドルとパリルーべを制したようにベルギー勢にも勝つ方法はあったように思うし、メンバーを見ればスペインは最も優位に戦えたはずだ。ただ、勝てなかった。どちらの国も勝利の方程式に固執したような戦い方だった。
ま、それはそれとしてバッランの走りは本当に素晴らしかった。まさかあの状態であの位置からあのスピードで最後までいけるとは予測できなかった。ま、ほとんどの人が予測できなかったからこそ成功した逃げともいえる。(いつものバッランならありうる逃げだが、その少し前に遅れたので消えたと思っていた。)